40歳主婦がオンラインゲームで姫になったときのお話 後編
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前編はこちらからどうぞ。
A君からの熱烈なアプローチ
A君は当時、20歳になったばかりの若者でした。
「付き合えないことはわかっているけど、一目だけでもいいから会って話がしたい。それで諦める」
真剣なA君に、私も真剣に答えました。
「いやいやいや。旦那おるし。もうおばちゃんやで」
(そこまで言ってもやっぱり実年齢だけは言えない)
「それでもいい!会いたい!」
いや、だから、こっちが嫌なんですってば。
若作りすれば「老けた30代」ぐらいには見えるかもしれませんが、そこまでして会う意味がわかりません。
それに、想いが深ければ深いほど、強い憎しみを生むってよく言うじゃないですか。
思いつめた彼にグサッと刺されでもしたら・・
いっそのこと、実年齢を言えば諦めてくれるのでしょうか?
さすがに親子ほど離れてるなんて思ってないはず。
そこまで考えてから、昔パチンコ店でバイトしていたときのことを思い出しました。
アラフィフ既婚者のまかないのおばちゃんと、20代前半のイケメン店員君が、手に手を取って駆け落ちをした事件のことです。
二人にはそれぞれ、年齢の近い伴侶がいて、夫婦住み込みで働いておりました。
そのまかないのおばちゃんは、石田ゆり子とか、キョンキョンとか、森高みたいな美魔女ではなく、ちょっと小太りな年相応のおばちゃんです。
恋は盲目、アバタもエクボなんて言葉があります。
人生なにが起こるかわかりません。
若い男性は、年上の女性に憧れを持ち、惹かれる傾向にあります。
若い女性を好むようになるのは、おじさんになってからです。
「絶対に会わない!」
ピシャリと私は言いました。
それから数日後、彼からメールがありました。
「今大阪駅にいる。最終電車がくるまで待ってるから」(彼が住んでいるのは東京です)
ひええええええええええ!こわい!
もちろん彼は、私の個人情報などなにひとつ知りませんから、それ以上のアクションが起こせないことはわかっています。(メールは使い捨てのWEBメール)
でもなんか落ち着かないというか怖い。
私はその日、1歩も家から出られませんでした。
それ以降、彼からのアプローチはピタリと止みました。
どうやら自然と、ゲームからも遠ざかってしまったようです。
望んだことではないにしろ、酷く傷つけてしまった上に、彼からゲームのモチベーションを奪いさってしまったことには、責任と罪悪感を抱く結果となりました。
しばらくして、どうしているのか気になった私は、こっそり彼のブログをのぞきました。
そこには、私と出会ってからの思い出が、小説形式で書き綴られてありました。
サイドバーに「第20章」という文字があったように思います。
恐ろしくて読む気にはなりませんでしたけど。
最後のほうだけチラッと見たら、まだ完結には遠いようでした。
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あとがき
オンラインゲーム時代は、いつもどこかで後ろめたさがありました。
ちゃんとした年齢を言っていれば、このような悲劇は起きなかったのかもしませんが、今となってはわかりません。
あの勢いからすると「年上でもいい!」となっていたような気はします。
Aくんの口から「ちょきが男でも惚れていたかも」と言われたときは、本気で震えましたから。
あれは冗談だったと思いたいです・・。
私は普段、基本的には嘘のつけない人間です。
でもそれは「正直者だから」ではなく、「根が小心者」だからです。
ごまかしてうやむやにしておけば、嘘を吐いたことにならない、ずっとそうやって逃げ道を作ってきました。
ずるい生き方とも言えますね。
ここでは素のまま、ありのまま、自由に好きなことが書けるので、気持ちがとても軽やかです。
だからこそ、身内には絶対に教えたくありません。
もちろん愛する夫にもです!
夫だけにブログをやっていることは教えましたが、アドレスは教えておりません。
そういったことには全く干渉してこない人なので、「教えろ」とも言われませんし。
問題は私にナニカあったときです。
あまり考えたくはありませんが、もしかしたら、買い物途中に車にはねられ、突然この世を去ることになるかもしれません。
思い出に浸りたいと思った夫や身内が、私のパソコンを開いてしまい、このブログの存在が明るみに!
ひゃー!どうしましょ!
絶対嫌です!困ります!
このエピソードを知られたら恥ずかしくて死んでしまう!(※すでに死んでいる設定)
今だって、勢いで書いてしまったことかなり後悔しています。
私が死んだらこのパソコンが爆発してデータを消去してくれるプログラムがあれば!と思うぐらい、嫌です。
そうだ!遺言を残しておけば。
「もし私が死んだらパソコンのハードディスクと一緒に火葬してください」
逆に怪しまれる?
それ以前に燃えないゴミは一緒に入れてもらえませんよね。
困りましたね。
死んだ後にパソコンのデータを見られたくないって人、結構いると思うんですけど、一体どうしてるんでしょうか。
何かいい手立てがございましたら、教えてくださいませ。